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アビシュカール

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ネパール語で「発見」

「障害」と「障碍」と「障がい」

この三つの表記、どれを使うべきかよく迷う。
個人的なものの場合は気にもせず適当に選んでいるけれど
公に出す場合、いつもここで一瞬立ち止まる。
どれも主張があって利用しているんだとは思うのだけれど
私周辺では統一的な見解がないので、「障がい」を使うことが多い。

戦前は「障碍」を使用していた。
「碍」の字義は「さしさわる、さしつかえる」という意味があり
心身に不自由な点があって生活に差し障りやさしつかえ(碍)があるという「障碍」。
ところが、「碍」という漢字は1946年に告示された「当用漢字音訓表」に入らなかった。
そのため、「障碍」を「障害」と書くようになったそうだ。
本来の意味は異なるのに
音が同じだからという理由で代替利用されたわけだ。
しかし、「害」は「害する。危害を与える。傷つける」というような意味があり
「さまたげる」(障)、「危害を与える」(害)」という意味で
障害物競走の「障害」と同じ意味になってしまう。

「障害」は「障碍」(「障礙」)と表記すべきであるという考えや
障害 伝統的には「障礙」「障碍」と書くのが正しいもあるし
自治体で統一表記を徹底しているところもある。
2001年、東京都多摩市による「障害者」を「障がい者」変更から始まった。
山形県 「障がい」、「障がい者」の表記の使用について
八潮市 障がいの表記について
「障害者」→「障がい者」→「友愛者?」 新表記を大阪・吹田市が導入方針 言葉狩りの批判も
(産経ニュース 2009.12.2)

英語表記でも色々変遷があって
handicapped とかdisabledとかあって、直されたこともあった。
最近はそれもまた問題ありということでchallengedを使うようだ。

2009年に鳩山政権は「障がい者制度改革推進本部」を設置して
障がい者が政策づくりに参画することになった。
ここでは「障がい」と使われている。
この表記でいけばいいのだろうか?

「障碍」という漢字が本来の意味を一番表していると思う。
でも、当事者の方々の気持ちを尊重すべきだろうか。
差別的だと除外されている言葉は意外と多くて
ちょっと古い小説とか読むと、よく但し書きがついている。
「差別的な言葉が使われていますが云々・・・・」

決まりなら従う、とは思うけれど
言葉だけ変えても仕方ないし、過度な言葉狩りだと思うこともある。
でも、自治体によって異なるというのも困ったものだ。

「障害」と「障碍」と「障がい」_f0077807_11265799.jpg

ローズマリー

by roman-tan | 2010-01-07 11:32 | NPO法人

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