アビシュカール

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ネパール語で「発見」

カダヤシ

カダヤシは『蚊絶やし』と書くことからわかるが
日本に分布するカダヤシは
もともとマラリヤ防止、ボウフラ退治のためのもので
日本には1916年台湾経由で入ってきて
1970年代に急速分布、2000年頃には福島県以南の各地で分布が確認された。
メダカとカダヤシはとてもよく似ている。
違いは尻びれと尾びれ
カダヤシの尾びれは丸く、メダカの尾びれは角ばっている。
また、メダカの尻びれがオスメスとも横長の四角形だけど
カダヤシはメスの尻びれが縦長で小さく、オスの尻びれは細長い。
私の地域に住んでいる子どもは、だれもがこれくらいのコトは知っているし
メダカとカダヤシの区別もできると思う。

ここにはもともと野生のクロメダカしかいなかった。
それがカダヤシがやってきて、ものすごい速度のその数が増加し
おそらく現在はカダヤシの方が多いのではないかと思う。
というのも、カダヤシ繁殖力が強くて成長も早い。
おまけに肉食で淡水魚の卵や稚魚を食べてしまう。
メダカの数はぐっと減少したのは農薬や水以外にカダヤシによるところが大きい。
2006年特定外来生物となり
2009年世界の侵略的外来種ワースト100
日本の侵略的外来種ワースト100
に選定された。

水溜りにカダヤシを放っておくと、蚊がいなくなるということはあるけど
ここれでは、『カダヤシはメダカの敵』ということで落ち着く。
最近は金魚屋さんで色々な種類のメダカが売られているけど
お店には「決して野生に放してはいけません!」という但し書きがある。
どんなに小さな生き物でも
そこ存在していないものを放つということは
生態系にどのような影響を及ぼすのかを考えないといけない。
ハブの天敵だからといって放たれたマングースもいた。
勝手に帰化した植物や生き物は確かにあるけれど
安易な発想による人為的な『種』の持込はとても危険だと思う。

「ネパールの山村にレンゲを植えたらいい」についての論争があった。
根粒細菌を持つレンゲは有益だし、家畜の餌にもなる。
たいした悪影響は考えられないから試してみるべきだという持込派と
種の持ち込みは生態系を破壊するという反対派。
結局どうなったのか不明だけど・・・。

日本にオオカミを導入したらいいという話がある。
オオカミがいることで鳥獣被害も減り、バランスが取れるということらしい。
かつて日本にはオオカミが実際住んでいたのだから
それほど非現実的な話でもないのかもしれない。
話としてはとても興味深い。
しかし、絶滅させて100年以上経過し
その間に日本の自然、植生、生態系、地理的条件も大きく変化してしまった。
オオカミ、それは新しい『種』を入れるということに近い決断になる。
カダヤシのケースがどうしても頭に浮かぶ。

生物多様性条約第10回締約国会議というのが日本で10月に開かれるけど
その多様性というのも難しいなと思う。
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by roman-tan | 2010-01-26 20:51 | NPO法人