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アビシュカール

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ネパール語で「発見」

パキスタン:ブット氏暗殺

武装勢力が暗殺実行」 パキスタン政府が発表
パキスタン内務省のチーマ報道官は28日夜、記者会見し、ブット元首相の暗殺について、アフガニスタン国境に近い北西部の部族地域、南ワジリスタン地区の武装勢力を率いるベイトラ・メスード司令官を首謀者として名指しした。しかし司令官側は29日、暗殺への関与を否定。暗殺時の状況に関する政府の説明に、目撃者らからも疑問の声が上がっている。
何が真実なのかよくわからないけど
ミャンマーのアウン・サン・スー・チー氏とよく似てるような・・・
イギリスの植民地だった国で、世襲的な政治家
聡明で美しい女性、海外で学んだ民主化
米英との関係が深い二人
暗殺行為は野蛮この上ないけど
暗殺されなければならないほどの人だったのかな、というのが最初の印象
この人の力そのものより、別な理由はやっぱりアメリカ?

1990年代、パキスタンの救世主と人気のあった元首相ブット
首相として、南アジアのネパールにも訪問したことがあったが
ネパールの友人は、ブット氏のことをそれほど評価していなかった。
華やかな表の話とは別の、裏のお金にまつわる話のせいだった。

パキスタンのことは、ちょっとさかのぼって整理しないとわかりにくい。
核保有国なのに、アメリカはパキスタンには寛容であり
アメリカとパキスタンの複雑な関係は知ってたけど・・・
2003.12
橋梁爆破ムシャラフ大統領暗殺未遂
パキスタン治安局はアルカイの関与と発表したが、仕組まれたような気配
軍政から民政へ、ムシャラフは2004年末をもって全軍参謀長も辞職
2004.3
核搭載可能のミサイル、シャヒーン2の発射実験に成功
パキスタン核開発の父アブドル・カディル・カーン博士の核開発技術は
リビアだけでなく北朝鮮の核開発へも関与
2005.3
元首相ブットがミサイル開発の秘密を告白
当時ブット人気の陰で、カーン博士による核開発が着々と進行
ブット訪朝時ミサイルのブルー・ノートが北朝へ渡る。
北朝鮮はパキスタン・アフガン・イラン・イラク・リビア等中近東アラブ諸国との関係を構築
カーン問題がリビアのカダフィの核放棄で、結果的に無罪放免に等しい処遇で闇へ
ムシャラフとアメリカの「親密な関係」が分かりにくいパキスタンを育てた。
2006.9
インドとパキスタンは、反テロ機構の創設、カシミール問題に対し協力等を確約
テロリストの交差点となる印パ領有地域カシミールは
アフガン、イランと中央アジアを結ぶパイプライン構想(世界注視のエネルギー問題)
2007.2
約1か月の間に10回近いテロ頻発、原理主義的な色彩が濃厚
ムシャラフ政権は、反テロを最大課題のひとつとして掲げ
原発建設、エネルギー問題と工業振興、米中バランス外交を推進
3年間、G D P成長率4 ~ 5パーセントを達成目標
インドと平和推進、治安の安定を協同することを緊急要件
アメリカのゲーツ国防長官パキスタンを訪問直後からパキスタン国内のテロは活発化

アメリカのイラン・キャンペーンは
核問題からイラク反政府テロへの支援問題へ移行
イラクの多国籍軍は順次撤退を表明、アフガン駐留N A T O軍も疲弊困憊
起死回生はイラン攻撃、というシナリオがブッシュ政権内に浮上している。

印パ、イラン・パキスタンの国境はアメリカにとって重大な関心ポイント
印パ、カシミール緊張関係はアメリカの中東戦略に大きく影響
パキスタンが親米路線を外れたらアメリカのアフガン、イラク、イラン戦略は挫折
ペルシャ湾への石油パイプラインの拡充、新設はアメリカの宿願
ネオ・コンサヴァティブ=ブッシュ政権の狙い
アメリカの狙いは簡単だけど
南アジアと中近東アラブという複雑さ
ヒラリーさんとかが大統領になったら、アメリカはかわるのだろうか。

参考:
パキスタン政情緊迫 ムシャラフ政権苦境 ブット氏暗殺(asahi.com 2007.12.27)
米国:ムシャラフ擁護のブッシュ政策、危うし(JanJan 2007.7.16)
インド最前線 The actual INDIA
by roman-tan | 2007-12-29 20:15 | Nepal

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