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アビシュカール

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ネパール語で「発見」

間伐(thinning of forest)

間伐については色々な意見がある。
国(林野庁)は「「美しい森林づくり推進国民運動」を推進している。
それによれば、間伐とは
混みあった森林から曲がったり弱ったりしているスギやヒノキなどの針葉樹を抜きぎり、 森林の中を明るく保ち、 真っ直ぐ育てる為に必要な作業。間伐を行わない森林では樹木の生長がにぶく、根を張ることも難しくなる。森林の中は暗いため下生えも生えないので、水源涵養力、土壌保全能力の低い森林になる(全国森林組合連合会)。
集約化・提案型森林施業かわら版の中でも
「森林資源を活かす搬出間伐を推進しましょう!と積極的に展開
森林資源:人工林が成長し、その多くが搬出間伐の適期を迎えようとしています。
間伐を確実に実施し、国産材の復権に取り組みましょう。
木材需要:加工技術が向上し、合板や集成材など新たな国産材需要が増加しています。国産材時代の実現のためには、まず搬出間伐の推進、そして施業集約化等による安定供給が課題です。
低コスト:搬出間伐の実現には、路網整備、高性能林業機械の活用、列状間伐を組み合わせた低コスト化を図ることが重要です。
災害防止:間伐は災害に強い健全な森林づくりに不可欠です。間伐材を搬出することで山地災害時の流出が防げます。
補助制度:森林整備事業では、林道端まで搬出・集積する搬出間伐が補助対象となります。低コスト化、販売努力と併せて、所有者負担を軽減できます。箇所によっては収益も期待できます。
でも、真っ向から反対する意見もある。
間伐をして実生雑木を育成することで、土砂崩れを防ぎ、野生動植物のためにもなる、自然生態系保全型林業としてお勧めします。しかし、だからといって「間伐はいいことだ」という話しが一般化してしまうと、林野庁の「「美しい森林づくり推進国民運動」のようになってしまい、林業に莫大な税金が投入されることを正当化してしまうことになるので、私は間伐をあまり勧めていないのです。植えすぎて、間伐もされずに30~40年も経ってしまった人工林は、間伐をすることで、かえって土砂崩れをする場所も多々あります。間伐は若い樹齢のときに行うべきものです。将来崩れるとわかっている場所にまで血税を投入して間伐する必要はないのです。間伐は、よい木材を生産するために行うものです。林野庁が進めている「美しい森林づくり推進国民運動」は、330万ヘクタールの人工林を間伐することを目的としています。暗いスギ・ヒノキの木材生産地に光を入れて、雑木や下草を育成し、土砂崩れしないようにする、というのが間伐の趣旨だと思いますが、この間伐のようすを見ると、逆に間伐が土砂崩れを招くことになります。間伐助成金をもらう時には、下草を全伐するのが条件でした。栄養を木材となる木に集中させるためですが、野生生物のことも土砂崩れのことも何も考えられていないのが、林野庁が進める間伐なのです。間伐が地温暖化防止に役立つから、という最もらしい理由もつけられていますが、国が間伐を推進している理由は、林野庁や森林組合の仕事を確保するためであり、二重税である「森林環境税」創設の理由にもなっています(日本政府の森林偽装
どちらが理にかなっているのか。
人が自然に手を入れた以上、最後まで手をかけるのは義務だと思う。
実際、どうするのがいいのか。間伐(thinning of forest)_f0077807_21275851.jpg
森林を元に戻しながら間伐をするのがいいというのが
現場にいる方々の意見のようだ。

森林に関わる別の話
例えば、裕福な公益法人が他市の富士山周辺や伊豆の山林を買い求めた時期があった。
30~40年の時間の経過と共に、森林を取り巻く状況は変化した。
植林したスギやヒノキは切り時なのに
国産の木材では商売にならなくなり、森林管理をするものがいなくなった。
森林は荒れていくお金は唸るほどあるが、人も技術も知識もない。
さてどうしようか、という話。

森林にまつわる話には、環境という崇高な面から
お金にまつわる話まで、けっこう奥が深い。
by roman-tan | 2008-01-08 21:30 | 森林

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